シールド工法
シールドで前面の土砂部分の崩壊を防ぎながら、掘削・推進を行い、
テール部でセグメントを組み立てることにより、トンネルを構築する工法です。
シールド工法とは、トンネルを掘る工法の1つです。
鋼鉄の筒の中に地盤を掘削する機械を納め、周囲の土砂の崩壊を防ぎながら、前面の土を回転するカッターで少しづつ削り取っては、その分だけ油圧ジャッキによって前進し、後方の空いたスペースにセグメントと呼ばれるコンクリートや鋼鉄製のブロックを組み立て、トンネルを築造していく工法です。
千代田幹線整備事業では「泥水式シールド工法」を採用し、幅広(1.5m)のセグメントを使用します。
シールド工法の歴史
シールド工法は、1818年にイギリスでブルネルというフランス人技師によって発明されました。
彼は、船の木材を食べながら後ろを殻で固めていくフナクイムシをヒントにしてシールドを発明し、1825年、ロンドンのテムズ河を横断する水底トンネルで初めて使われました。難工事であったようで、何回かの浸水により工事は7年間中断しましたが、1834年に再開し、1840年に到達しました。このブルネルが作った世界最初のシールドトンネルは、今もロンドンの地下鉄として使われています。
ロンドンテムズ河Brunelのシールドトンネル(1825~1840)
(矩形鋳鉄製の外殻、総重量90t、断面積80m2、レンガ積の覆工)
下水道のあれこれ
フナクイムシは体の先端に付けた貝殻で木材を掘り進める。掘りながら体内の分泌液を出し、石灰質の白い殻をつくり内壁を固める。
バイオミメティクス
生物のもつ機能や形状を模倣し、自然の形に学ぶ設計思想をバイオミメティクス(生体模倣)という。
「フナクイムシが木を食べながら穴を掘り、穴が潰れないように分泌液で内壁を固めながら進む姿」から生まれた「シールド工法」。
千代田幹線整備事業は「バイオミメティクス」という自然からの技術を取り入れた工事となります。
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▼ 石灰質によって固められた穴の内壁
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▼ 木材に穴をあけていくイメージ図